ヨコハマトリエンナーレ2014 参戦記 その3

はまリンクが本邦一の現代アートイベントに初参加。
横浜ものづくり企業とのコラボレーションを企画プロデュース、そして製作!

第3話 感動の売り場風景

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はまリンクがプロデュースした『スピーカー部材で作った木製コースターセット』は、横浜市の記者発表でも紹介され、上々のスタートを切った。
納品先は新港ピア公式ミュージアムショップと横浜美術館。夏休みが始まり来場者増が見込まれるからなのか、新港ピアからは一気に60セットの注文が寄せられる。レザーカッターはフル稼働、はまリンクはヤスリ掛けとニス塗りに明け暮れる。己のことを「現代の名工」と鼓舞しながら黙々と作業に打ち込む。

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こうした苦労(喜びですね)も売場に陳列されている製品を見ると本当に報われ、感動する。きれいにPOPを作ってもらい、さまざまな応援グッズと肩を並べる。わが子のように感じてしまう。ニスを塗り、ヤスリ掛けして得られるのは光沢だけでない、製品への愛情である。ものづくりの神髄だ。
草間彌生の水玉グッズと同じ空間で売られている感動は計り知れない。

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そんな中、ビッグニュースが舞い込んだ。
東急ハンズ横浜店から声が掛かったのである。売場スペースの制限があるために、すべての応援グッズを並べる事はできないようだ。つまり「選ばれた」ということ。はまリンクのコースターは、東急ハンズのバイヤーさんのお眼鏡に適ったのである。(多分)

毎週送られてくる販売実績シートには、本当にやられる。特に初回(7/31~8/3)の報告は驚愕だった。売上数量「6」。6セット売れたのである。しかもたった4日間で。(少ない?)
チーン、ジャラジャラ~と皮算用をはじくはまリンク。これは大変な事になる、と武者震いするのであった。

こうして、横浜トリエンナーレへのチャレンジが始まり、そして3か月のイベントが終わった。季節は秋も深まる11月になっていた。

気になる売り上げは、総数137セット(411枚)、109,600円。

振り返ると、企画やものづくりの楽しさはもちろん、発注を受ける喜び、売り上げにまつわる悲喜交々、そして何よりものづくりの厳しさである。20セット・60枚のヤスリ掛けとニス塗りで半日が過ぎる現実。この工賃を価格に反映させると一体価格はどのくらいになるのか。

なにはともあれ、3年に一度の一大イベントに参加し、ひとつの足跡を残したはまリンク。小さな一歩だったかも知れないが、いずれ大きな一歩だったと笑い話になるのだろうか。3年後も参加することだけは間違いない。

おわり