はまリンク取材班が社長に突撃インタビュー

会社設立の経緯を教えていただけますか？

もともとは商船学校を卒業して船に乗っていました。でも、船はあまり向いていなかったようで陸に上がった方がよいと進められて一般の会社に就職しました。その後、昭和41年に独立して「日本船舶工具」を設立しました。
最初はディーゼルエンジンの噴射弁のノズルの研磨の仕事から始めました。当時は私もチャックでくわえる方式の研磨機を使っていました。でも、これだと軸がぶれてしまうんです。

その後、自社の研磨機を製造されたのですね。

はい。トヨタの専用製造機の設計をおこなっていた会社の設計技師の方に研磨機の設計を依頼しました。その方がチャックでくわえる方式ではなく、メタルの軸受で支える方式を設計してくれました。これが軸がぶれなく正確に研磨できるデザインだったんです。

どのような特長があるのですか？

ミクロンの精度で研磨できるので、潤滑油が汚れにくくすすが出るのを抑えることができます。船からすすがでると海水が汚れて海水温度を上げてしまいます。海水温度の上昇は気象にも影響を与えてしまいます。ディーゼルエンジンのきちんとしたメンテナンスは地球環境のためにも重要なんです。

どのような船のエンジンのメンテナンスに使われているのですか？

研磨機の販売だけでなく実際のメンテナンス作業もおこなっています。今はジャパン マリンユナイテッド株式会社(JMU)の修理メンテナンスを引き受けていますので、例えば、南極観測船「しらせ」のディーゼルエンジンの整備工事でバルブの研磨を毎年おこなっています。

現在は研磨機だけでなく運動器具も取り扱われていますね。どういったきっかけで運動器具の製造を始められたのですか？

ずっと現場で作業をやっていたこともあり、70歳を過ぎたあたりから腰を悪くしてしまいました。原因は運動不足で足腰が弱ってきたからだと思い、運動の助けになるような運動器具の開発製造アイデアを考えるようになりました。

スクワットの際に膝の負担を軽くする運動器具「ハイスクワット」を販売されていますね。どんな特長があるのですか？

スクワットは「キング・オブ・エクササイズ」と言われるほど健康に良い筋肉トレーニングです。でも、正しい姿勢でおこなわないと膝に負担がかかってしまい、高齢者ではかえって問題が起こってしまう可能性があります。そこでスクワットが手軽にできて膝の負担を減らせるように、ばねを使った踏み台の「ハイスクワット」を考案しました。

ご自身でも使われているのですか？

もちろんです。スクワットなどの筋肉トレーニングは週に2、3回、一日5分もやれば十分効果が出る手軽な運動です。健康に気をつけて運動を続けていることで腰痛も治りましたし、80代になった今でもゴルフで200ヤード超飛ばすことができています。横浜市では高齢者にウォーキングを奨励する活動が始まっていますが、併せてスクワットなど筋肉トレーニングを生活の中に取り入れることをお勧めします。

• 80歳を過ぎても現役を続ける菅社長
• 「社員の健康は会社の健康に通じる」と健康経営から認知症のことまで考えて人体のメンテナンスにも力を入れていました。